平成25年4月1日に農林水産省より以下の通知が公表されました。
「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて」
この通知により、営農型太陽光発電設備が一定の要件を満たすことで設置可能となりました。
売電による収入を農業にプラスして安定収入を得れると、各地域で事業参入を希望する農家が立ち上がりました。
しかし、その全てが事業の立上げに成功している訳ではなく、案件が頓挫しているものも多くみられます。
その理由としていくつかの問題点が挙げられます。

  1. 水平投影面積上の遮光率を用いて申請することとなっているが、実際の日照量の減少作用と相関関係にないため、各作物に対しての適正な日照量が確保されているか分からないまま許可を出しているのが現状である。
  2. 各市町村の申請を受け付け、審査・指導を行う組織の担当者(多くの場合が農業委員会事務局)によって、当申請に対する理解・知識・対応に大きな差がある。
  3. 営農型太陽光発電に関する研究及び実証データの保管や、知見の集約を行う受け皿が確立されていない。
  4. 就農人口の平均年齢が66歳という現実と、固定価格による売電期間が20年間と長期に渡る現実に対し、どのように営農を引き継いでいくのか、その取組み方法が確立されていない。
  5. 営農型太陽光発電に取り組みたいが融資がつかずに断念せざるを得ないという農家も多く、売電による農業の経営改善だけでなく、耕作放棄地の解消や集約の難しい農地の維持管理に資する施策として十分な効果を発揮できていない。
  6. 個々の農家が個人的に営農型発電設備を投資した場合、投資リスク、営農の継続リスクなど全てのリスクを負うこととなっている。
  7. 国の固定価格買取制度に頼らなくても投資回収できる営農型発電設備を作り、今後の日本農業に末永く貢献し続ける仕組みにする必要がある。

営農型発電設備が正式に認められてから5年が経過しました。
これら問題点に対する解決策を考案し、そして実行、実現していくことを誓い、これをもって営農型発電設備の公正で健全な発展に資するとし、全国営農型発電協会は発足しました。